ご挨拶まわり

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若奥様になりたての頃。

ご近所に挨拶まわりに行かなければならないが、持っていくご挨拶の品はどれかと姑に聞かれた。

焦って探すと、自室に百貨店の大きな紙袋を見つけた。こんなの持ってきた覚えがない?これ何かしら?一つ開けて中を確認しようとしたら「余計なことをするな。どうせ気が回らんと思って用意してやったものだ」と叱られた。なんでそんな言い方するかなと考えながら、いいこちゃんは「ありがとうございます」と素直に返事した。

姑が早く着替えろと言う。

スーツかな?ワンピースかな?聞くと「服なんてあまり持ってきてないじゃないか」確かに、結婚しても(妊娠などで)体型が変わるし、流行も変わるから沢山持って行く必要はないと考えて(母と私の考えが一致したのもある)、一通りのものしか持ってきていなかった。しかし、着物は沢山持っていた。嫁入り道具としてではなく、日常に着物を着ることが当たり前だったのもあり、それこそ「着物ばかりこんなに持ってきて」と当時の配偶者関係から非難されたくらいだった。

近所への挨拶回りなら、小紋(程度)で良いかと尋ねると「色留め袖か訪問着にせよ」と言う。『こいつ馬鹿じゃねぇか』と思ったのはおくびにも出さず、とりあえず髪を結い上げ訪問着を着た。(だいたい、嫁入りした近所への挨拶回りってするのか?聞いたこと無いぞ)

訪問着を着て、ご挨拶の品を風呂敷に包み、近所を回った。と言っても、町会で会社以外だから5件~6件だったか。行く先々で「わざわざ挨拶に来てくれて」と半分迷惑そうな・興味津々という感じで頭のてっぺんからつま先まで品定めする様に見られ、居心地が悪いったら。「髪結いに行って、着付けまでして大変だったね」と言われたので、つい「自分で着付けられますので」と言ってしまった。姑が「髪も結えますし着付けもちゃんと出来る子ですから」と念を押すのがとても不自然な気がしていた。

失礼して外に出てドアを閉めたとき「いろいろ帳尻あわせるのも大変だなぁ」と言うのが聞こえた。何のことか判らなかったが、その真相の一部が7年くらい経ってから明らかになってくるのである。

続く・・・・

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