節分である。
西の方から広がった恵方巻なる巻き寿司の丸かじりが、さもさも正しい行事食の様な扱いを受けているのを、苦々しく思っているへそ曲がりは私である。
節分の行事食としては、鰯と炒り大豆が正式ではないのか?
においのきつい鰯の頭をとげとげの柊の枝に刺し門口に差しておく。魔を滅するとの音をもつ豆。拾いこぼした生豆は芽が出ると『魔を育てる』事になるから縁起が悪いとか。だから必ず炒った豆を魔(鬼)を追うときに使うのだと書にあった。
小学生の子供を持つ年若い同僚が「正しい節分の食べ物って何なのでしょう」と聞いてきたので、上記の事を教えた。行事食にはとても興味があるので、昔からそんなことを調べていたので教えられたのだが。
同じく恵方巻。
これって、上方はみなみの旦那衆が、芸妓さんとのお座敷遊びで行っていたことが発祥だとか。お座敷にお料理を提供していた料理屋だったか、寿司屋だったかが、商売になると売り出したのが広まったものだ。
元がお座敷遊びなのだから、上品なものではございません。
『ほれほれ、わてのんの方が立派やないか?』『おうちのんはそんな大きさかいな?』『いややわ、こんなんお口には入りまへんわぁ』なんてやりとりがあったかは知らないが、まぁその手の物だって事なのだ。
恵方を向いて丸かじり。うわーーーー!下品だわぁ。恥ずかしっ!
↑これは私の台詞ではない。小学生の子供を持つ若い同僚の台詞。良かった、良識を持つ?若い人がいると判っただけでも安心だと思える。
などと偉そうに言うけれど、お祭り騒ぎが嫌いじゃない私。ただ単に今年は気力が湧かなかっただけで、毎年巻き寿司を7本も8本も巻くのは別の話。