数年前の大雪の日。
母の入居している施設へ呼び出しをされていた。
交通機関は間引き運転をしているし
積雪で、歩くのも大変。
持っている傘は、瞬く間に積もる雪で重たくなる。
それでも片道2時間半掛けて、出かけていった。
用事を済ませ、やっとの事で自宅最寄り駅まで帰り着いたけれど
もう、自宅へ帰って食事の準備をする気力は残っていなかった。
「簡単にご飯食べて帰ろう」という夫の言葉に異存はなかった。
駅ビルのなかにサイゼリアがある。
ここで、温野菜系のサラダとドリアとハウスワインと。
その日、呼び出しの内容は母の入院についてだった。
色々あったけれど、入院した母は無事に退院できたのだった。
それから数年。
なにか問題があり、母の所へ行った帰りには、サイゼリアでご飯。
なんとなくそういう感じになっていた。
上手くいった時と同じ事をやったら、
同じようにツキを呼び寄せられるかもしれない。
ささやかな験担ぎだったのだ。
今までは、それでちゃんと上手くいっていた。
験担ぎってちゃんと意味あるんだね♪そう思っていた。
今回の入院でも、厳しい話しがあった帰りは、サイゼリア!
なのに、よりにもよって。。。。。。
2回とも、月に一度の休館日(サイゼリアも休みになる)に当たってしまった。
でも、出来るだけ近い日に行き直して、ちゃんと験を担ぐんだ!
わざわざ、時間を合わせて二人で食事してきた。
1回目は大丈夫だった。
でも2回目の験担ぎの数日後に母は逝ってしまった。
ちゃんと現を担げなかったからかな。
言葉にしたところでどうにもならないけれど。
帰宅の時に見上げた駅ビルのサイゼリアの看板に
思わずため息が出てしまう我々である。