すみませんけど10円下さい

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娘が小学校一年生のある日。
忘れ物を学校に取りに戻った帰り道で、乗っていた電車が近隣の火事の影響で運転見合わせになった。

当時は今のように携帯電話などなかったから、駅のホームの公衆電話には長蛇の列が出来たらしい。
彼女もちゃんと列に並び、いよいよ自分の番になった時。おもむろに『すみませんけど誰か10円下さい!』と声を上げたそうだ。一年生。余分なお金は持たせていない。ランドセルには緊急用のお財布を入れてあるが、その時は定期しか持っていない。とっさに回りに頼んでみたようだ。

びっくりしたことに、回りの大人が皆さん硬貨を差し出し、すぐ後ろのおばちゃんは硬貨を入れて「お嬢ちゃん電話掛けなさい」と言ってくれたそう。娘は『皆さんありがとうございました』と言ってからありがたく電話を掛けさせて貰ったそう。

自宅では、娘が帰ってこない為最寄り駅や学校への連絡でてんやわんや。
そこに掛かってきた電話で、娘の無事を確認出来て一安心したものの「ちょっと代わってね」と聞こえてきた知らない声に驚いていると「しっかりしたお嬢ちゃん。ご心配でしょうけれど、このお嬢ちゃんなら大丈夫ですよ。感心したので代わって貰いました。早く迎えに来てくださいね」と言われたものの訳がわからない。取り敢えずありがとうございますと応えた。が、帰宅した娘から『10円下さい』を聞くに至り、お礼の言葉が足りなかったことに悔やんだが後の祭り。

件の娘は逞しく雄々しく?育ったと申せます(笑)

しつけの出来ていない、行儀の悪い巷にごろごろいる子供達は嫌いですけど。うちの娘くらい肝の据わった子は楽しいですな。幼いとか小さいとか言わずに、出来ることは自分でやらせてみるくらいのことが無ければ、たくましく自分で生きていける根性はすわりませんからね。

息子と娘を見ているに、しつけだけは間違えなかったかなと考える親ばかである。

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