母が入居している施設へ向かうバスの中で。
二人のJKがスマホをいじりながら自分たちの世界にどっぷりの騒音をまき散らしている。
口を半開きにして、耳障りな音の固まりを垂れ流している様にしか聞こえない。
「まじ、ありえねー、うけぇー、うちらそんなげ、そーそー」としか言っていないようなのにどうして会話が成り立つのか?
「どこでおりるの?きいてねーし、それどこ?せんりゅーってなに?」
んっと、この路線に「せんりゅー」というバス停はない。
暫く考えて「ひょっとして川柳(かわやなぎ)?」と思い至った。
我々の目的地より手前の停留所である。
JKがどんな行動に出るのか、とても楽しみ。
次の次あたりが、彼女たちがいうところの「せんりゅー」が付くバス停である。
「まじどこ?わからね?」
「えーー、現在地どこ?地図の見方わからんーー!」
「せんりゅーさがせよ、せんりゅー」
「せんりゅー、ない、ここどこ?」
言ってるウチに、一つ目のせんりゅーが付くバス停のアナウンスが流れた。
「まじ?!いま、かわやなぎってゆった!」
「えーー、かわやなぎ探したらいいんか」
と、一つ目のかわやなぎ通過。
あと残り二つ。さて、間に合うのか?どきどき(笑)
「ちずーちずー!」と喚いている彼女たちを尻目に二つ目のかわやなぎ通過。
最後のかわやなぎの直前で、降車ボタンを押したJK。
「まじ?ここでいいん?」
「そんなのわからんってば(怒)」
「地図判らんし、やばいわ」と声高に言い合いながら降りるJK。
「どっちに行ったいいん?わっかんねーしっ!」
そこへ、神対応の運転手さん。
「H高なら、ここを道なりにまっすぐ5分くらいだから」と伝える。
まるで別人のように「ありがとうございます(はーと)」とお礼を言うJK。
おばちゃんは、ちょっと安心したよ。お礼はちゃんと言えるのね。
この時期にJKがこのバスに乗る時には、目的地は決まっているらしい。
それにしても、スマホの地図アプリ。
使い方が判らないってのはどういう事なんだろう?
現在値を設定して、目的地を設定。音声案内にばかり頼っているって事?
ちゃんと若い連中がスマホを使いこなしているというわけではないらしい。
なんだか、おばちゃんには理解不能なのである。