夫が休みを取って、一日家にいてくれる。
良い子ちゃんがインフルエンザに罹ったから、
看病のために休暇を取ったのではない。
彼の会社では、同居家族が流行性の病を発症した場合
本人の感染の有無が確認できるまでは、
出社を見合わせる事になっているからなのだ。
考えてみたら当たり前なんだけど。
「その当たり前の事」が出来ていない会社に勤めているから
良い子ちゃんは、今回被害を被っているのである。
確認のためとはいえ心底うらやましい話しなのだ。
で、良い子ちゃんは起きていられない。
横になってうつらうつらしながら、仕事をしている(爆)
時々起きて、トイレに行き、水分補給して、薬を飲み、横になる。
夫は全くもって元気である。
サラダとソーセージやキノコが入ったオムレツを作り、
こんがりと焼いたトーストにコーヒーを入れて、
優雅にブランチを楽しんでいる。
相変わらず固形物を食べられない良い子ちゃんは
彼のお皿をうらやましげに眺めるけれど、食べる気力はない。
キッチンには数種類のコーヒー豆の袋が置いてある。
『あのやろう、とことん楽しむつもりだな！』と、少しカチンと来る。
いきなり降って湧いた休日である。
発症するかどうかの確認とはいえ、なんの兆候もないのだから
彼は安心して「賜り物の休日」を楽しめるのだ。
いいなぁーーーー。
食べられない食事を無理に用意する必要ないし。
良い子ちゃんは、寝室で伏せっているので手も掛からない。
いつもみたいに声を掛けられたり、
あれ手伝えとか、これどうしたっけ等のアクションが来ることも考えないで済む。
洗濯物を干したあと(ちゃんとやってくれていた)、
ゆっくりと録り貯めた番組を楽しんでいた様子。
時々、コーヒー豆を挽く音が聞こえてきたり
ドアから良い香りが流れ込んできて目が醒めるけれど
相変わらず、37.5℃より下がらないなぁと思いつつ
うとうとと過ごしていたのだった。
誰かがいるのって安心するね。
良い子ちゃんの場合は、のだけどね。
ただ、体温計を見る度に
『まだ熱下がりきらないねぇ』と
しかめっ面されるのには、ちょっとめんどくさくなった。
熱が下がらないのは良い子ちゃんのせいじゃない！
食べられないのも良い子ちゃんのせいじゃない！
しんどいのはあたしなんだからっ！
って、いうのもしんどいからため息ついて寝てたけどね。
