旅行に行くため、バスで新幹線駅に向かう途中で。
乗り込んできた女子高生を運転手が呼び止めた。
「学生さん、定期券ちゃんと見せて」
戻った女子高生が定期を見せる。
全く悪びれてもいないし、当たり前に見せている。確認されてバスの奥に進もうとすると、運転手がまた呼び止める。
「ちょっと待って!」
「これ、期限切れてるよ。28年だよね?定期券出して」
「これ預かるから。この書類記入してね」
乗り込む人を少し待たせて、書類に名前を書かせている。
その後ろを待たされていた人達が乗り込んで来る。
我々は終点まで乗る。
運転手が指示する書類の場所に書き込んで、女子高生は我々の前の席に座った。
『うわーーっ!そこに座られたら何も話せないじゃん!』等と考えている良い子ちゃんの事など、当たり前にスルーした彼女は鞄からテスト対策のプリントを取り出して読み始めた(ように見えた)が、ほぼ30分同じところを見つめていただけだった。
終点に着いたが、一番後ろに座っていた我々は最後に降りることになる。
我々の前を件の女子高生が立ち上がる。
運転手が「さっきの学生さん、こっちに来てくれるかな」と言うのが聞こえた。
「名前が違うけど、どっちが正しいの?この名前はお母さん?」とも聞こえる。
え? 入れ間違えたって思っていたけど、確信犯なの?
名前も違うものを書いたり、詐称したりしてるの?
とても真面目そうに見える女子高生なのだけど・・・。
よく考えたら、なんかおかしい気がしてきた。
ひょっとしたら、定期券の不正使用が発生している路線なので、運転手が必要書類も準備していた様にも思われる。
ものすごーーく、はっきりとした物言いの運転手だった。
現行犯でなければダメだから、張っていたのかも。
「学校に連絡はいるのですか?親にも連絡行くのですか?請求されるのですか?」と女子高生が話しているのが聞こえていた。
「どうするかは会社が判断します。学生証も見せて。内容を確認するから。書いてあるのとな違うね、きちんと書いて!」話しはまだまだ続いていたが、いつまでもぐずぐず出来なかったのでその場を離れた。
あれどうなったんだろう?すごーーく気になる!