緊急周知というのが行われた。
警官がやってきて、事情聴取が行われたあの件。
ロッカーでの貴重品管理禁止と
暗証番号の即時変更が周知されたのだ。
今まで、こんな事無かったんだけどな。
とてもとても悔しいし、腹立たしい。
同僚に犯人がいるんだとしか考えられないから。
そりゃ100人以上いるんだからね、
いろんな人もいるだろうさ。
でも、いきなりこんな事が起きて、平常心ではいられない。
鑑識が行われたロッカーは、良い子ちゃんの隣だった。
ロッカールームで、大声でそのロッカーの使用者に「嫌よねー、いつ気がついたの?大丈夫?」とお節介に語りかけているダダ。その行動が迷惑なんだって気づかないんだろうな。
ダダの大声で「鑑識が行われたロッカーが彼女のだ」と周りが知ることになった。
二番目と三番目の被害者が隣り合ったロッカーだったのだ。
最初の被害者と最後の被害者のことは、良い子ちゃんは知らない。
誰だって構わないのだけれど、きっと同じ列なんだろうなと思う。
今日のロッカーは大騒ぎだった。
皆、暗証番号を変更しなければならないから。
「変更したのを忘れちゃったら、ロッカー開かなくなるよ!どーしよー」とか言いながら、バタバタと変更して、退社していった。
でもね、変更したって同じなんだよ。
ロックを解除して、扉を開ける・・・・扉の表には、解除ナンバーが見える状態になっている。
解除したらすぐにダイヤルを回さねば、解除ナンバーを晒すことになるのに、誰もそれを指摘しない。
親しい数人の同僚にだけ声を掛けた「ロック解除したあと、ドアを開けたらすぐにダイヤル回さないと一緒だよ」って。
「えーーー!ロックする時、また合わせなくちゃならないじゃん!めんどくさすぎっ!」と喚いていたっけ。
被害に遭っていないから、そんな風に思えるんだよね。
ある意味幸せかも。
めんどくさいけど、良い子ちゃんは何度も何度もダイヤルを回すことにしている。
あと、貴重品は持って行かない。
お金も持たない。
それくらいしか、防衛策は無いんだよね。
あーーー嫌だな。