『こちら買わせて貰ってよろしいですか?』
帰りに立ち寄った百貨店で、耳に入ってきた声に思わず立ち止まった。
若い女性が、イカ焼きのブースの前で立ち止まり「ソース味のイカ焼き」を指さして居るのを確認した。
店員が「ソース味1点でよろしいですか」と聞くと、また「ええ。これを一つ買わせて頂きます」と返事している。
えええええーーーーー!君、おかしいよっ!
その話し方、まったく無茶苦茶じゃないのっ!
側に駆け寄り、ご指導申し上げたいのを必死に堪え、エア耳栓をしっかり装着したつもりでその場を離れた。
ああ、危なかった!あれで声を掛けたら、変なおばさんじゃないか!
良い子ちゃんが変な言い回しを気にするのには訳があるのだ。
先日から、職場では「ビジネス敬語」と「発声・話し方」の研修が行われている。
上方での前職では、敬語を含めた話し方がきちんと出来て当たり前だったおかげで?苦労せずに敬語関係はクリア。
ただ、二重敬語すれすれの表現をしていることに気づくきっかけになったので、今回の研修はありがたかったかなと思っている。
研修で貰った資料を見直したり、時間がある時に反復練習をしたので、やや怪しくなりかけていた滑舌も完璧に近い状態まで回復している。
仕事中にも、周りの対応が耳に入ってくると、気になって仕方ないのだ。
『せっかく研修を受けたのに!どうして自分のクセを直そうとしないの?!』と思えるのだ。
チーフリーダーが「みんな真剣に研修を受けていたのに、実践が出来ている人が少なすぎる」と嘆いているのを聞いた。
まぁね。悪い例を聞いたところで、自分の事だなんて考えないよね。
せめて、良い子ちゃんの周りだけでも、一つでも変なクセを克服できるように。
お節介なおばちゃんは、勝手に『ワンポイントアドバイス♪』と、にこにこと圧力を掛けてみたりしているのである。
耳障りな言葉が一つでも減らせると良いんだけどなぁと思いながら。