毎度、脳筋の話しでございます。
母の遺影を用意するにあたり、いろんな写真を探した。
脳筋のデジカメに入っているデータ。
良い子ちゃんのデジカメのデータ。
脳筋のスマホに入っているデータ。
良い子ちゃんや、夫の携帯やタブレットに入っているデータ。
それぞれが選んだ写真を数枚ずつプリントアウトして貰った。
我々夫婦がピックアップした母の写真は
穏やかに微笑んでいたり、嬉しそうに笑っているもの。
我々といるときの、母の表情で楽しんでいるのが判るものばかりだった。
脳筋が選んでいた物は、表情の乏しい写真ばかり。
脳筋と並んでいる写真も、一人で写っている写真も
見事に能面のように表情がないのである。
プリントアウトした写真を並べて、選んだのだけれど
我々がピックアップした写真は嫌だと、脳筋がどうしても譲らない。
「こんな変な顔しているのは、お母さんじゃない!」と言うのだ。
笑顔が変な顔って。。。。と思ったけれど、
仕方ないので脳筋の選んだ写真を遺影として使うことになった。
高機能自閉症について、同僚と話しをしているときに、ふと
「表情の認識が出来ないって可能性もあるんじゃない?」
と言われて、『そうかもしれない』と思い至った。
まだ母の病気が重くなる前は、おしゃべりしたり、笑ったり、
普通に過ごしていたものだった。
もちろん、我々と一緒の時だけ。
そこに脳筋が加わると、母の表情が一変するのだ。
笑っている母を見ると、脳筋が変なことを言うのだ。
「お母さん、変な顔してる。やめなよ!」と。
笑って話している弟に向かっても
「△△君、どうしてそんな変な顔するの!」と言うし。
「いいこちゃん、いつも変な顔しているよねーー」って言われてたし。
『変な顔でご免ねーー』って相手にしていなかったけれど、
笑顔が認識できないのだとしたら、そりゃ変な顔って表現になるよねぇ。
ひょっとしたら、こんな風に見えているのかなぁ。
いつもにこにこと、笑顔でいることが多い良い子ちゃんだが
笑顔などの表情を認識できない人から見たら
どんな風に見えているのだろう?
脳筋が笑顔を認識できないと、決めているわけではないけれど。
なんとなく、それなら納得!と思えたことであります。