良い子ちゃんのチームは、リーダー・サブリーダーを加えて総勢12人である。
一列に6人が並んでブースに収まっている状態である。
良い子ちゃんの3人隣にいる同僚☆さんとは、朝夕の挨拶くらいしか接することがないけれど、声が出なくなってからのこの3ヶ月は、いつもいつも『焦っちゃ駄目だよ、無理するなっていってもするんだから、大丈夫と思ってももうちょっとは我慢しな!』と、声を掛けてくれていた。
昨日、久しぶりに現場に復帰!と張り切っていた良い子ちゃんだったが、手持ちのデスクワークを片付けるのに時間が掛かったため、☆さんは『もう、今日は電話しないんだな』と思って安心していたのだそうだ。
ところが、聞き慣れた声とは少し違う応対の声が聞こえて来て『掠れてきてるじゃないか!サブチーフ、早くやめさせなさいよ!』と焦っていたらしい。しかし、彼女も対応中で、それもクレーム対応になってしまった為、良い子ちゃんのことは気になってもどうにも出来なかったとのこと。
昼休憩から戻る時に、目の前を歩いている☆さんに気づいて囁き声を掛けたところ、振り向いた☆さんが、めちゃくちゃ怒っている顔でビックリした良い子ちゃん。
『無理するなって言ったのに、また声出なくなっちゃって。どうすんのさ!聞いていてどんどん掠れるの判る位なのに、なんで我慢して治すことが出来なかったのさ!』と、怒っていたのだ。
無理しているつもりなかったんだもん。
普通に話せるようになったと思っていたんだもん。
もう、仕事に復帰できると思って張り切っていたんだもん。
と、囁きで訴えたら『まだ、元に戻ってなかったのに気がついてなかったの?馬鹿!』とバッサリだった。
『焦る気持ちは判らないでもないけど。また回復が遅れたら元も子もないでしょ!』と、怒る☆さんの気持ちが、涙が出るほど嬉しかった。
『声出ないんだから、電話できないし。頑張ってデスクワークやりなよ!』と、背中をドンと押されて、もうちょっとで泣きそうになった。
言葉は乱暴かもしれないけれど、☆さんの発破はジーンと沁みた。
朝、声が出ないことを伝えたところ「昨日はどれくらいの時間電話しましたか?それが原因で声が出なくなったのだと言い切れるのですか?」とリーダーは宣った。
それ以外ないじゃん。
「MAX2時間くらいだったら、今日は午前1時間・午後1時間で電話応対してみましょうね」だって。
いや、声出ないから。
囁いて、電話応対の相手に内容を判って貰えるはずないでしょ!と思ったけれど『様子を見ながら』という話しなので、何度か応対を想定してみたけれど、急に声が出るようになるわけでもなし。
喉に張り付いたかさぶたのような感じは、ずっと続いているのだから。
結局、また一日中デスクワークに逆戻り。焦るなと言われたって、、、、、
焦る気持ちを何とかしなくちゃ。
本当に自爆してしまいそうで怖い良い子ちゃんである。