先ほど、ウチのマンションの酒乱がご帰還である。
記録しなくちゃと、時計を確認しながら、駐輪場を眺めていた。
買って来たレジ袋を地面に放り出し、自転車をラックに入れようとしている酒乱。
「なんだよっ!おいっ!」
声と同時に、駐輪場の屋根の下で派手な音がし始める。
我が家からだと、前輪の一部しか見えないのだが、明らかにラックに入っていない。
ガチャガチャと派手な音をさせつつ、自転車をラックに入れようとしているのだが、
言うことを聞かない自転車に、かなり苛ついている模様。
とうとう、何か判別不能な事を怒鳴りつつ、他の自転車たちを引きずり出し始めた。
駐輪場の前の歩道には、絡み合った自転車たち。
ガチャガチャがチャとやっているウチに、自転車のハンドルやら、なんやら。
あちこち絡んでしまったらしい。
丁寧に扱っていれば、絡むなどあり得ないと思うのだが。
現に、良い子ちゃんだってこの自転車を使うけれど、一度だって絡んだことはないのだ。
何時も通りに騒いでいるだけなら、記録しておしまいにするつもりだった。
しかし、今日は大騒ぎである。
入浴準備をしている夫に声を掛け、一緒に目撃して貰った。
ギャラリーが居るのを知っているはずはないのだが、
久しぶりに派手なパフォーマンスである。
「彼はいったい何をしたいの?」と夫は良い子ちゃんに聞くが、そんなの知らねーよ。
そのうち、やっとの事で?乗って帰った自転車からバッテリーを外し、
レジ袋からはみ出た缶ビールと並べて置いた。
次に彼は、大きくため息をついて、引っ張り出した自転車をほどき始めた。
もちろん、罵りながら。賑やかなことである。
やっとほどけた自転車たちをラックに収めた。
やれやれ。ショーも終わりかな。そう思った途端。
レジ袋とバッテリーを持った酒乱が、いきなりこっちを見上げた!
当然、部屋の明かりは消してあるし、カーテンの陰から覗いているのだから大丈夫なはず。
とはいえ、焦ったーーーー!
流石に、今日は怖いから。
被害状況を確認しに行くのはやめよう。