良い子ちゃんは通勤に電車を使っている。
職場最寄りJRの駅まで4駅。乗っている時間は13分ほどである。
自宅から駅まで20分ちょっと。駅から職場まで15分くらい。待ち時間を加えても、ドアツードアで1時間弱だから近い方かな。
毎朝、ほぼ同じ時間の同じ車両に乗る様になって3年。
最近では乗るドアも決めている。
何故か?それは、毎朝、一緒の時間に同じ車両に乗るおぢさんが気持ち悪いからなのだ。
気持ち悪いのなら、違う車両にしたらいいでしょ?と言う話だが、乗るドアを変えればまだマシなので、同じ車両に乗ることになるのである。
この車両だと降りた時に、真ん前がエレベーターだというのも大きい理由。膝を痛めていた時に、エスカレーターも階段も怖くて、エレベーターを使っていたから、そのままというのもある。
今朝も、件のおぢさんが隣の扉から乗り込んでいるのを確認した良い子ちゃん。
当然席は空いていないので、立っていたが、次の駅で降りる人がいて、目の前の席が空いたので座ることが出来た。目の端であのおぢさんがこちらの方に向かって移動始めたのが見えた様だったがあえて無視。
次の駅で良い子ちゃんの隣と、向かい側の席が空いた。
おぢさんが必死の形相でこちらに向かってきたが、彼の右手と左手と空いている席のどちらに座ろうかと一瞬躊躇した間に、当たり前に席は埋まる。いい迷惑なのは、おぢさんに押しのけられた人だけど、毎日同じような時間に乗る人たちだから、触らぬ神にたたり無しって感じ。
一瞬の隙で座るチャンスを逃したおぢさん、天井を向いて「あぁーーぁあ。もぉおぉーー!」と喚いて地団駄を踏んだ。周りの人たち、どん引き(笑)
久しぶりに雄叫びを上げるおぢさんを見た良い子ちゃん。笑いたいのをぐっとこらえて、タブレットの小説に集中。しかし、字の上を視線が滑る滑る。程なく、次の駅に到着。おぢさんはここで下車するのだ。
たった一駅でも、座りたい。人を押しのけて、鞄を放り投げて席を確保してまで座りたい。あの執念はおぞましいくらいである。
実は、良い子ちゃんは目の前が空いたので座ろうとしたら、脇から割り込んだおぢさんが先に座り、その膝に座りそうになったこと2回、押しのけられたこと1回経験あり。タイミングの差で先に座ってしまった良い子ちゃんの前で地団駄を踏まれたこと3回。これってかなりの確率だね。
このおぢさん。ちゃんとスーツを着て、太めだけど、ちょっと目にはきちんとした人っぽく見えるから、余計におかしいのだわ。これから暑くなるから、彼が汗だくで座席の一人争奪戦を繰り広げる、毎朝の行事に巻き込まれない様に気をつけねばならない。
うっとーしーなぁ。